【棒材試験片の自動採取・荷札自動取付ロボット】千代田鋼鉄工業株式会社 での導入決定
株式会社ファインズ(本社:東京都中央区、取締役社長:文成 彬、以下「ファインズ」)は、千代田鋼鉄工業株式会社(本社:東京都足立区、
取締役社長:坂田 基歩、以下「千代田鋼鉄」)と綾瀬工場にて、ファインズが独占販売権契約を結んでいる中国 Ramon Science and Technology Co., Ltd.(以下「Ramon」)社の「棒材試験片の自動採取ロボットシステム」及び、「荷札自動取付ロボットシステム」の導入を
決定しました。
【導入背景】
カーボンニュートラルの実現に向けて、先進技術を活用した電気炉の生産能力の向上に努める中、圧延工程では工程制御・品質管理に必要な数多くの検査を、昔ながらのマニュアル作業で進めています。
• 棒材試験片の採取作業
冷却床での試験片採取では、製品温度が 1000℃前後になる棒材をスタッフの職人が引っ張ってサンプル採取を行うため、太物製品の場合は特に重労働になります。圧延では本来、前工程に応じて試験片を採取し測定しますが、データがリアルタイムで前工程と連携していないため、作業者の経験やスキルに依存しています。またサンプリング採取の都度に停止時間が発生し、品質管理だけでなく生産性にも影響する結果となっています。
• 荷札の取付作業
荷札取付け作業でも作業員ごとの取付け位置の差による脱落、手入力の間違い、データの送信漏れなど、人為的ミスが起きやすいと言われています。一方で、ミスが発生すると即重大な問題となる作業を一日中繰り返すため、現状では効率を犠牲にして人員を増やし対応せざるを得ません。
荷札のデータは生産ラインから倉庫移動のタイミングで作業者が QR スキャンを行ないます。その段階で生産完了のデータが送られるようになっていますが、現状では QR スキャンの読み込みを忘れたりするとデータの連続性が保てなくなってしまいます。
【システムの特徴】
Ramon 社の棒材試験片採取システムは試験片のオンライン自動採取のみならず、試験片の製本、単位重量及び寸法と輪郭の測定までの一連の作業をすべて自動化できるようになっております。2022 年から実稼働の実績を有しており、現在韓国やドイツ等グローバルから大きく注目されています。
同社の荷札自動付けシステムは、2019 年から BAOWU などの中国主要鉄鋼メーカー、及び韓国、台湾などの鉄鋼メーカーに導入されております。
【期待される導入効果】
本システムは、日本初めての導入事例として、綾瀬工場に 2024 年中にシステム設置、2025 年からの実稼働を目指しています。システム導入後、圧延工場ではAIによる画像認識システム及びロボットを追加することにより、試験片採取と荷札取付け作業の自動化を図ります。「圧延」及び「結束・出荷」工程の原則無人で24 時間の操業が可能となり、確認するだけとなるため、夜間作業の人員削減や人的災害の要因の排除を実現させます。
圧延工程ではラインを稼働させながら試験片採取が可能なため、停止時間によるロスを削減します。また、データの自動測定により、測定誤差や入力ミスをなくすとともに記録されたデータを活用し、工程ごとの連携により効率的・確実な生産、品質管理体制を構築するだけでなく、データやAIを活用した後進への分かりやすい技術継承が可能となります。
結束・出荷工程でも作業員が実施していた荷札取付けを自動化・効率化すると共に、現状手入力しているタグデータを、前工程と連携し自動入力することで、自動印刷や生産追跡による品質、在庫管理能力が期待され、将来的な工場の生産量の増加にも対応可能となります。
【今後の展望】
グローバルでトップクラスの導入実績を誇るRamon社のスクラップAI検収システムに続き、「圧延」及び「結束・出荷」工程のロボット化により、生産性、品質と安全の向上だけでなく、将来的には生産能力の向上への対応をサポートします。
また、本システムの画像データを蓄積し、スクラップAI検収システムやAI表面検査、ビレット自動追跡管理システム等工場全体の画像分析AI基盤に統合することによって、製造原料から一貫した製造品質の管理が可能になるため、今後蓄積したデータの操業への応用に活用することで、操業の最適化と省エネ化をさらに目指していきます。
【本件に関するお問い合わせ先】
株式会社ファインズ
担当: 廣谷
電話番号:03-6667-0997
E-mail:info@finesinc.com