【棒材試験片の自動採取ロボット・荷札自動取付ロボット】千代田鋼鉄工業株式会社 で実用化、及び【鉄スクラップAI検収システム】システム更新
千代田鋼鉄工業株式会社(本社:東京都足立区、取締役社長:坂田 基歩、以下「千代田鋼鉄」)では2025年7月20日からAI検収システムを最新バージョンに更新しました。
また、新たに同じメーカーである中国Ramon Science and Technology Co., Ltd.(以下「Ramon」)社の「棒材試験片の自動採取ロボットシステム」及び、「荷札自動取付ロボットシステム」の運用を9月より開始しました。
【スクラップAI検収システム の更新】
2023年2月からスクラップAI検収システムを全日帯で導入、2023年9月に一度システムのバージョンアップ後、高い検収精度で安定稼働していました。
今回のシステム更新では、画面表示と操作がウェブブラウザー上で動作するタイプになり、操作性がさらに向上しました。
また検収員向けの監視画面に加え、管理者向けダッシュボード画面が一新になりました。ユーザー指定の期間をワンクリックでヤードごとの入荷量情報や稼働率、品種、等級ごとの入荷量推移等がグラフ形式で表示する等、スクラップ管理機能が強化されため、スクラップ入荷の変動と製品品質の相関分析がしやすくなりました。
スクラップの識別機能も強化され、新しい禁忌物の識別モデルは60万枚以上の学習データを用いて訓練されたため、識別可能な禁忌物の種類が増加し、判定精度も向上しました。
また補助機能として、スクラップの個体分析結果からスクラップ(トラック単位)を電気炉で使用した場合のCO2排出量、消費電力量を推算することが可能になりました。
【棒材試験片の自動採取・荷札自動取付ロボット 運用開始までの経過】
2024年7月から製品の試験片採取、及び荷札取付工程でのロボットシステムの仕様検討を得て、2025年5月に設置工事が完了し、システムの調整や既存生産システムとの連携を行ってきました。
• 棒材試験片の採取作業
冷却床での試験片採取では、製品温度が1000℃前後になる高温環境の中、ロボットシステムの保護のためにエアコン付き部屋の設置や自動開閉扉の整備等、環境整備を入念に行いました。
現在、AIによる画像識別システムでロボットに視覚情報を与えることで、冷却床上の製品位置を自動識別し、前工程と連携したデータに基づき試験片の採取から単位重量と形状測定の自動化が実現できました。
• 荷札の取付作業
荷札取付け作業では現在ロボットシステムによる全自動化が実現されました。結束本数の確認でもAI画像識別の技術を活用して、結束数量に誤りがある場合は自動で警報を出して作業員に確認を促すことができ、作業の標準化及び省人化、並びに取得データの連携による生産効率の向上を実現しました。
【導入効果と今後の展望】
スクラップAI検収システムは、スクラップの定量化分析機能を用いて、スクラップの荷受けから配合、溶解等全工程への応用を通してスクラップ管理と操業の最適化を実現します。また、今後はスクラップ業者の情報も活用してスコープ3までのGX化に貢献できるようにシステム機能を充実していきます。
ロボットシステムを導入することで、試験片採取と荷札取付け作業の自動化を図ることができ、再現性の高い、正確で迅速な測定・タイムリーな工程管理を実現することが可能になりました。今後は、「圧延」及び「結束・出荷」工程では原則無人で24時間の操業が可能となります。作業員は確認作業がメインとなるため、夜間作業の人員削減や人的災害要因の排除を実現していきます。
現在AIによる自動荷下ろしや炉内カメラの検討も進めており、今後原料の入荷から製鋼、圧延、出荷までの全工程におけるAX化(AIトランスフォーメーション)をさらに進めていきます。
【本件に関するお問い合わせ先】
株式会社ファインズ
担当: 廣谷
電話番号:03-6667-0997
E-mail:info@finesinc.com